聖職者


マーキスは床の書類を踏まないように慎重に歩きながら李楼に近づく。

「それは好都合!実はラスホォードも資料を見つけたんです!」

「ホント?!」

「ええ。今見ていました。よかったらお掛けになって見てください」

李楼はそう言うとソファを指し示し、新たにミルクティーを入れにかかった。

マーキスはソファに座り、ラスホォードが見つけた資料を手に取る。

ほんの数枚のプリントだった。

文字数もさほど多くない。

マーキスは目を通していく。

だが、だんだんとその表情が驚愕に変わり、目が見開かれていく。

プリントを読み終わるとマーキスは顔を上げた。

「これは?!」

「地下の資料室で見つけました。ここに書かれていることが本当なら、一刻も早く凛に銀色の力の秘密を言わなければなりません」

マーキスから渡された資料を運んだラスホォードがソファに座りながら言った。