聖職者


「何?その反応」

「…いえ、何でもありません」

ラスホォードは慌てた。

「ルイ元帥、お持ちしますっ!」

「どうも」

マーキスは冷たく言い放ち、半ば乱暴に資料をラスホォードに押しつけた。

いきなり資料を渡されたラスホォードはバランスを危うくさせ、ふらふらとする。

マーキスはそんなラスホォードには目もくれず、室内へと足を進めた。

相変わらず整理整頓がなっていない。

部屋の隅には書類がうず高く積まれている。

部屋の中でもよく行き来するソファとデスク、一部の本棚の周りだけ床が見えていた。

あとは書類で床が白い。

本来は濃い茶色の床なのに。

李楼はソファに座っていたが、マーキスに気付くと即座に立ち上がる。

「ルイ元帥」

「李楼、聞いて!書類が見つかったの!」