その数日後のある晴れた昼間。
マーキスはいくつかの資料を手にして、廊下を足早に進んでいた。
今日は珍しく任務が無かったので、以前、李楼とラスホォードと手分けしていた資料を探していた。
その中の図書室の一角を見ていた時、ある資料を見つけたのだ。
「騎士団本部記録」と書かれた資料だった。
これは、一日ごとにその日にあった特別な出来事、報告を記録している。
記録者はその当時の本部長であった。
つまり、李楼も毎日記録している。
その過去の中に、銀の力に関する記述を見つけたのだ。
それも、一度だけでなく、度々書かれていた。
マーキスはそれを見たとき、飛び上がるように喜んだ。
この「騎士団本部記録」の中で銀の力に関する記述が書かれている本を本部長室に持って行こうとした。

