「くそっ!!」
凛は自室で舌打ちをした。
それも、今までの凛ならありえないような悪態もそえて。
大きな窓からは月明かりのみが、石造りの部屋の壁を照らしている。
ここ最近、凛は部屋の明かりを付けないで生活するようになった。
あの全てを照らすかのような光が忌々しく感じるようになったのだ。
舌打ちをした凛はベッドに粗雑に腰を掛けた。
目は虚空を鋭く睨み付けている。
最近、思うように行かないことが多い。
強くなりたいのに、思うように力が付かない。
力の量は多くなったかもしれないが、コントロールは悪くなった気がする。
任務もそれなりにこなせるようになったが、それは相手がEランクの場合だった。
Dランクなら苦戦する。

