聖職者


神の力。

神の力は銀色だと言われている。

それはつまり、誰かが見たことがある、と言うことだ。

誰かが、神を見た。

それも、力を使っているところを。

「ねぇ、神の力ってどうしてわかるの?」

マーキスは突然問う。

ラスホォード、李楼は驚いてマーキスを見た。

「どうしてって、神の力は銀色だからです」

至極当たり前、とでも言うようにラスホォードが答える。

「ってことは、誰かが神の力を見たんだよね」

「そうなりますね」

「じゃあ、その神の力を見た人は、どうしてそれが力だって分かったの?力を知らない普通の人間なら、それを力だと思わないよね?いわゆる超能力とか手品とかだと思うんじゃない?」

「それは…」

ラスホォードは口籠もる。