聖職者


「今は言わないでおこう」

これがマーキスの下した決断だった。

「なぜですか?」

李楼が聞いてきた。

「…力に捕われても困るし、私達がもっと力について調べてからにしよう」

マーキスはあえて「復讐」と言うことは避けた。

うまく行ったかどうか、李楼とラスホォードの顔を見て確認すると、二人ともそれで納得したらしい。

「でも、調べるってどうやって?」

ラスホォードがさらにつっこんで聞く。

「銀色の力なんて前代未聞だから文献もありません。力の封印についてはあるかもしれないから探してみますが」

「…そうだね。“神の力”か…」

李楼が何かを考えながら呟く。