「ん〜」
マーキスはしばらく考える。
「…多分、少しなら外れると思う。外れかけるって言ったほうが正しいかな。でもさすがに完璧には外れないよ」
「…そうですか」
さすが、神の力と言うべきか。
まぁ、本物の神とは比べものにはならないと思うが。
「あの、このこと凛に言いますか?」
ラスホォードが尋ねた。
「ん〜…」
マーキスは悩んだ。
実際のところ、凛には力を解放してほしい。
この緊急事態に強力な聖職者がほしいからだ。
だが、今のタイミングは不味い、とマーキスは感じた。
なぜなら、凛は今復讐しか考えていない、と思っているからだ。
李楼のほうをちらりと見ると、李楼はすべての判断をマーキスに預けたような顔をしていた。
元帥として、聖職者として、凛の修業の師匠として。
どういった判断を下すべきか。

