聖職者


次のページをめくると、あるデータが載っていた。

被験者となった凛に関するデータだった。

マーキスが凛を騎士団に連れてきた日付。

それから六歳頃までの生活の様子。

そして、六歳からの観察日記のようなもの。

特に観察日記は毎日事細かに付けられていたため、三冊目までほぼ観察日記だった。

マーキス、李楼、ラスホォードはそれぞれ手分けして三冊に目を通していく。

内容はひどいものだった。

まるで凛を人間としてみていない。

マーキス、李楼はこの件に関しては熟知しているものの、再度読んでもこちらが苦しくなってくる内容だった。

したがって、この件に関してあまり聞かされていなかったラスホォードには厳しい内容だった。