聖職者


「えぇ、もちろん」

「じゃあ僕も」

李楼も名乗りを上げた。

「今から行かない?」

マーキスが皆に提案する。

「今からですか?いいですよ」

三人は同意した。

そして、マーキスの部屋を出ていった。

地下の資料室まで当然だが、エレベーターで行く。

地下一階に到着し、エレベーターが、ちりん、と可愛らしい音を立てて開く。

マーキスの部屋とは違い、ひんやりとした空気が流れていた。

コンクリートがむき出しになっており、微かに異臭がした。

戦争時代の人体実験の匂いである。

あれからかなりの年月がたっているし、実験室は地下五階だというのにここまで匂いがする。

それほど当時は凄まじいものだったのだ。

マーキスは資料室の前までくると鍵を開けた。