一人黙々と、まるで水のように強い酒を飲んでいくマーキスを見て、ラスホォードは驚いた。
「…ルイ元帥ってお酒強いんですね」
「そうかな?普通じゃない?」
「普通じゃないです、異常です」
すかさず李楼がつっこむ。
「ルイ元帥、飲むのはいいですけど、あまり多いと経費で落ちませんよ」
「大丈夫よ!生活班長さんとは顔見知りなの♪」
マーキスの言う顔見知りが普通の関係に聞こえなくて、ラスホォードは険しい顔をした。
なぜなら、マーキスにいいようにいじられている生活班長が容易に想像できたからだ。
「それより、李楼」
マーキスは急に声音をかえて李楼に問う。
「なんです?」
「以前ヴォルドールが研究とか言ってた時の、凛に感する資料残ってる?」

