聖職者


マーキスは次々と飲んでいく。

傍らには軽くボトルの山ができた。

種類はワインだけではない。

ウイスキー、ブランデー、リキュール、さらにはウォッカまで。

中には、日本産の酎ハイ、焼酎もあった。

だてに世界をまたにかけて仕事をしていない、と李楼は思う。

もっとも、酒を買う暇があったら仕事をしてほしい。

ただでさえ人員不足なのに、これでは元帥の名が泣く。

「これはねぇ、アイリッシュウイスキーって言うのよぉ!アイルランドで作られたウイスキーの原型なのぉ〜♪今では貴重なウイスキーなんだからぁ〜!」

「一体、どこでそんな情報を仕入れてくるんですか…」

虚しくなり、つっこむ医療班長、ラスホォード。

どんな状況下においてもきっちりと仕事をこなすマーキスのイメージが、まさに音を立てて崩れていく。