聖職者


そのころ、マーキス、李楼、医療班長はマーキスの部屋で食事を取っていた。

「なんかすみません、僕まで夕食を頂いちゃって」

「い〜のよ、どうせ凛と食べるつもりだったから。食材は余ってるわ」

医療班長の挨拶に、マーキスはへらっとした笑顔で返す。

その笑顔に、医療班長は固まった。

決して見惚れたわけではない。

通り越して恐いのだ。

不気味すぎた。

顔を赤くし、目は軽く充血し、口元は締まりが無い。

普段からしてみればありえない光景に、医療班長は目を見張った。

そんな医療班長に、マーキスは気付かない。

医療班長は視線を李楼に移し、無言で説明を求めた。

「…え〜っとね、ルイ元帥は酔っておられるんだよ…」

李楼は困ったように言う。

「そ〜んなこと、ありませ〜んよぉ〜♪」

マーキスは、ついには歌いだした。