凛の内にあるもの。

それは復讐であった。

仇を討つ、ただそれだけのこと。

李楼の話によれば、慎と京さんはまだ安置室にいるらしい。

戦って命を落とした二人を皆で見送りたい、と言っていた。

この戦いが終わったら、全ての殉職者の葬儀を執り行う予定であるようだ。

そのために、術を施し腐敗しないようにしてあるとか。

それなのに、凛はあえて二人に会いに行かなかった。

全てが終わった時、報告をしにいく。

「やってやろうじゃない」

部屋の明かりを付けない暗やみで、凛は一人で呟いた。

なぜだろう、今、とても気持ちが落ち着いている。

強くなりたい。

レイに会いたい。

そして、この手で殺したい。

暗闇の中で、凛は一人不適に笑った。

今までに見せたことのないような笑い方で。