聖職者


本当のことを聞けば、自分は納得するだろうか?

いや、するはずが無い。

凛は頬に何かが伝うのを感じた。

涙以外の何物でもない。

「…慎と京さんはどこ?」

「…地下一階の…」

「嘘だっ!!」

凛は叫んだ。

地下一階、そこには殉職した同胞を安置するための部屋がある。

「…凛」

「そんなはずがない!!慎も京さんも強い!!」

「凛!!」

取り乱す凛をマーキスが後ろから抱き締める。

「本当なのよ」

そのマーキスの言葉に、凛は身体の中心に重く冷たい岩を落とされた心地がした。

「私たちは慎と京を探しに行ったのよ」

「……っ」

どくん、と凛の心臓が大きく脈を打つ。

“探しに行ったのよ”

その言葉に弾かれたように、凛の脳裏に映像が流れ込んできた。