「この前、慎と一緒に凛を本部長室に呼んだよね。そこでジャック元帥が亡くなったことを話した」
凛は頷く。
「その調査のため、数人の探索班員を現場の公園に送ったんだ。さすがに探索班員だけでは危ないと思ってね、慎と京さんに彼らの護衛を頼んだんだ」
李楼は苦々しげに言葉を続ける。
「…そこで…、一同はCランクの魔獣に遭遇した」
李楼は凛から目を逸らし、伏せた。
凛は彼のその仕草で、慎と京介に何があったか、察しがついた。
重い沈黙が流れる。
李楼は目を逸らしたまま。
マーキス、医療班長も凛と目を合わせようとしない。
「…それで?」
凛は震えた声で呟いた。
自分が感じてしまった予感は、本当に起きてしまったの?
だが、心の一部で分かっていながらも否定する自分がいる。

