聖職者


これから慎と京介のことを凛に言うのだ。

凛は、自分の命より大切にしていた彼らを失ったことになる。

聖職者である前に、彼女は15歳の少女なのだ。

そう思うだけで心が苦しくなる。

一体、どうやって話を切り出そうか…

だがその心配は杞憂に終わった。

「…本当のことって何?」

凛自らが聞いてきたのだ。

その場にいる三人は一瞬目を見張る。

「何なの?教えて」

震えが治まった凛は今度は顔を上げて聞く。

そこに先程までの弱々しさはなく、本当のことを知りたいという強い気持ちがあった。

「…分かった。全てを話すよ」

李楼が三人の緊張を取り持つように語り始めた。