ちょうどその時、李楼が入れたてのミルクティーを持ってきた。
医療班長はそれを受け取り、凛の手にそっと持たせてやる。
そして、飲むように促した。
李楼は全員分のミルクティーを入れていたので、それぞれもカップを受け取った。
ピリピリとした雰囲気の中で、ミルクティーの温もりと甘い香りが場の空気を包んだ。
凛もミルクティーを口に運ぶ。
だんだんと身体の緊張が溶けてくる。
頭もすっきりしてきた。
「…おいしい」
沈黙だった中で、凛がポツリと呟いた。
「それはよかった」
李楼は満足そうに微笑む。
だが、内心は穏やかではなかった。

