聖職者


あの日から、全ては狂っていった…

「いやああぁぁぁぁっ!!」

凛は自分の身体を抱きしめ叫んだ。

恐い。

震えがとまらない。

マーキスは凛の叫び声を聞くと、弾かれたように反応した。

急いで凛の元へと走る。

「凛?!」

そこには腰に手を当ててため息をつくヴォルドールと、異常なまでに青ざめ、震えている凛がいた。

マーキスは直ぐ様凛の横に膝を付き、震えてる身体を抱き締めてやった。

「ふぅ、私は嫌われているようですな」

一方のヴォルドールはと言うと、涼しい顔をしている。

マーキスはその顔を見て怒りが沸き上がるのを感じた。

「では、邪魔者は退散しますか」

ヴォルドールは何事もなかったかのように玄関に向かって歩きだす。