本部の中は薄暗かった。

これは時間帯に限ったことではない。

世界各国の支部をまわったことのある聖職者に言わせれば、「本部はまだ明るいほうだ」そうだ。

中は薄暗くとも活気はある。

あちこちで仕事に追われた者や、楽しげに話し込んでいる者がいた。

この建物は、地上15階、地下5階の全部で20階からなる。

1階はメインエントランス・ロビーだ。簡単な談話室やバーのようなものもある。

2階は世界一と言っていい程の書物を収容した図書館になっている。

3階から10階にはホームに住まう者の部屋がある。500人が住むとなると、部屋数は半端ではない。

11階は食堂や談話室、大入浴場やビリヤード等がある趣味ルームがある。

12階、13階は各班の仕事場となっている。

14階は元帥の部屋、15階は大元帥の部屋がある。

しかし、元帥は新たに聖職者を探す任務のために常に不在だ。

新たな聖職者が見つかった時のみ、ホームに帰還する。

大元帥に至っては、元帥より更に不在だと言っていい。

要するに、2・3年帰ってこないのだ。

帰ってきているかどうかは、元帥と本部長のみが知っている。