自分の名前が出てきたことに驚いた凛は、思わず立ち止まる。
「…しかたありませんが、言うしかありません」
会話の相手が答える。
「凛は聖職者です。この件に関して一番知らなければならない。それに、いつまでも任務をさせないのは…」
「でも凛はまだ記憶が戻ってないんだぞ!」
マーキスが叫んだ。
凛には、切羽詰まったように、どこか苦しそうに聞こえた。
「あの子をこれ以上苦しませたくないんだ!」
私が苦しむ?
一体、何について話しているのだろう。
「騎士団が研究のためにあの子にしたことを知って言ってるのか?!」
凛はびくりと肩を震わせた。
マーキスが怒っている。
自分が怒られているわけではないのに、身が縮む。

