はるか昔から、聖職者は極力外部の人間と接触しないように生きてきた。
人間は自分達とは異質なものを蔑み、嘲る傾向があったからだ。
もちろん、聖職者も生まれながらにして持ち合わせた力ゆえにその対象となってきた。
生まれたての聖職者が人間になぶり殺されることが無いように、元帥が世界中をまわり保護し、騎士団に連れてきているのだ。
凛も道端に捨てられていたため保護された聖職者の内の一人だった。
人間との唯一の外見の違いは聖痕であったが、それは常に隠している。
聖職者であることを外部の人間に知られないためだ。
凛の聖痕は左鎖骨の上にあった。
今もしっかりと服に隠れている。
それなのに、このレイという子供は凛が聖職者であることを見破った。

