聖職者


「お姉ちゃんも、この前のお兄ちゃんと一緒だね」

「…お兄ちゃん?」

「お兄ちゃんも僕のこと女の子だと思ってたんだよぉ」

「…そう」

凛は手短に会話を切った。

なぜなら、レイに違和感を抱いたからだ。

同時に恐怖心も抱いていた。

似合わないニヤリとした笑い方。

すべてを見透かしたような視線。

まるで自分の心を読まれているようで、気持ちが悪い。

レイは短く切られた会話が気に食わなかったようだ。

頬を膨らませている。

「お姉ちゃん、あのお兄ちゃんと同じ匂いがする」

「え?」

「お姉ちゃん、聖職者でしょ」

「っ!!」

レイのその言葉を聞いた瞬間、凛は数歩後ずさる。

体中に力が入った。

一体何者なんだ、この子供。