聖職者


自室の扉を開けると、大きな窓から陽の光が降り注ぎ、室内はいつも以上に明るかった。

これほどの晴天は久しぶりだった。

凛はふと慎と京介のことを思う。

記憶喪失のため二人が死んだことは知らず、李楼からは「二人は長期の任務に就いている」と聞いていた。

「慎も京さんも、この天気見てるかな…」

ぽつりとつぶやく凛。

あまりの天気の良さに、だんだんと外に出たくなってくる。

だが、李楼からはあまり外に出るなと言われていた。

「ちょっとくらいなら平気かな」

外出したい気持ちを、凛は押さえきれなかった。

近くの広場に行こうと思い立つ。

凛は部屋に移動術のための空間をつくると、そこを潜っていった。