それから数日がたった。 騎士団屈指の聖職が四人も殺された、という噂が広まるのに、そう時間はかからなかった。 だが、幸いなことに凛の耳にその噂が届くことはなかった。 軽い昼食を終えた凛は、自室に向かっていた。 いまだに記憶は戻っていない。 もちろん、任務にも就いていなかった。 李楼からは「最近は魔獣が少なくなった」と聞かされていた。 だが、本当はそんなはずはない。 逆に、魔獣は以前よりも多く出現するようになった。 それを、マーキスが一人で全ての任務をこなしている。