聖職者


医療班長は廊下を急いでいた。

先程李楼から電話を受けたのだ。

その内容は、凛の様子がおかしい、とのことだった。

それを聞いたとき、医療班長は電話を投げ出し本部長室に駆け出した。

凛が心配だった。

今年で26歳、医療班長となって3年目だ。

凛が聖職者として生きるようになったと同時に医療班長になった。

かつて、これほどまでに心配したことがあっただろうか?

自分はもしかしたら、凛に特別な感情を抱いてるのかもしれない。

あの、慎や京介が彼女に対して抱いていたそれと同じように…

医療班長は走りながら、そう思った。