聖職者


「…あのね、私とマーキスで任務に行ったでしょ?どんな任務だった?」

そう言った凛は、やはり言ったことを後悔した。

なぜなら、この質問を聞いたマーキスと李楼がひどく悲しみと驚きを浮かべたからだ。

いや、驚きのほうが大分強い。

二人とも目を見開き、食い入るように凛を見てくる。

凛は居たたまれなくなり、慌てて言葉をつないだ。

「あの…、よく覚えていないんだ」

「凛、本当に覚えてないの?」

マーキスが鋭く聞いてくる。

「うん。思い出せないの」

思い出せないのがそんなに悪いほど、自分は重要な任務についていたのだろうか。