それから凛、マーキス、李楼は本部長室に移動した。
本部長室の大きな扉をあけるとソファとデスク、その後ろの壁一面に取り付けられたぎっしり詰まった本棚が目に入る。
膨大な量の書類がデスクには乗り切らず床にまで散乱していた。
それはソファにも同じようだ。
アンティーク調の高級そうなソファまでもが書類に埋もれ、座るという本来の役割を失っていた。
どうしたらここまで書類をためることができるのか。
「…ははは」
李楼はその膨大な量の書類を見た瞬間乾いた笑いをこぼした。
凛とマーキスはあまりの散らかり様に言葉がでなかった。
「ちょっと待ってて」
李楼はそう言い残すと、つかつかとソファに向かって歩いていく。
何をするんだろう、と凛が思っていると、李楼はいきなりソファの上の書類をバサバサと床に落としはじめた。

