聖職者


「・・・あの様子、どう思う?」

医務室の扉の前で、李楼は医療班長に問い掛けた。

「何とも言えません」

医療班長は考えながら答えた。

「彼女は何の夢を見ていたのでしょう。あれほどうなされるのだから、きっと慎君と京君に関することのはずです」

「そうだな」

凛のあのうなされ様は半端出はなかった、と李楼は思った

そして、一度だけ、死ぬ間際の探索班員を見たときのことを思い出した。

彼は魔獣にひどい傷を負わされ、それによる高熱にうなされていた。

あの時と凛のうなされ様は、非常に似ていた。

探索班員は二日苦しみ、亡くなった。

だから、うなされている凛を見た時、このまま凛が死んでしまうかと思った。