凛や慎は本部に所属していた。

聖職者には所属するホームから個室が与えられる。

部屋は希望を聞いてくれる。

「聖職者は戦いでいつ命を落とすかわからないから、できるかぎりの手を尽くしたい」と生活班が働いてくれるのだ。

食事も同じ理由で、どこのホームでもいつもおいしいものが食べられる。

凛はそんなホームが好きだった。

物心ついた頃には、もう騎士団で生活していた凛にとって、ホームや仲間がすべてだった。

凛はふと、自分が小さかった頃を思い出した。

ホームは重厚な石造りのため、小さい凛には牢獄のように思えた。

毎日、何かに怯え、泣いて暮らした。

気が触れてしまったこともあった。

しかし、成長するにつれそれが当たり前だと慣れてしまった。