夢の中の凛は再び実際の凛を斬り付けた。
先程刺された痛みが引かずにいた凛は、防御の体勢もとれなかった。
肩から腰にかけて新たな痛みが走った。
「(ぐっ・・・!)」
実際の凛は痛みに耐えられず床に倒れこんだ。
これ以上斬られたら頭がおかしくなりそうだ。
「斬られるって痛いでしょ?」
夢の中の凛は嘲りを含んだ声で笑った。
「貴方はそうやって何体もの魔獣を殺してきたのよ」
実際の凛は痛みのあまり意識が朦朧としてきていた。
だが、その言葉は深く心を抉った。
そのうちに目が霞んでくる。
凛はだんだんと目蓋を閉じていった。
薄れゆく意識の中で、夢の中の凛は何か喋っていた。
ほとんど聞き取れなかった。
しかし、最後に彼女は確実にこう言った。
「また会いましょう」