「やっぱりだめか・・・」
刺した本人は刀を眺めながら言った。
「(・・・お前・・何、をした・・!)」
痛みのあまり、言葉がとぎれとぎれにしか出てこない。
「何にもしてないわよ」
夢の中の凛が言った。
「ここは貴方の夢の中。貴方は今寝ているの。つまり、身体はここにはない。あるのは精神だけ。身体がないから血も出ない。でも、精神があるから痛みは感じる」
「(・・・くっ)」
「貴方はこの中では不死身なのよ。だから、私が貴方を何回刺しても貴方は死なない」
夢の中の凛はそう言うと、不気味に笑った。
これが自分だと思いたくもない。

