聖職者


その言葉に夢の中の凛はピクリと反応した。

「うるさい」

彼女は静かにそう言うと、いきなり刀を慎の腹部に突き立てた。

「ぐっ!!」

慎が苦しげに息を漏らす。

その呼吸も次第に弱まっていく。

「(やめろ!!)」

実際の凛はそう叫ぶと、もう一人の凛の元へと走りだした。

この惨劇を止めようとした。

「凛さん・・・」

京介がぽつりと言う。

「・・・お前も死んで」

凛は小さな声でそう言うと、京介の胸にも刀を深々と突き立てた。

それは、駆け寄ってきた実際の凛の目の前で起きた。

「(っ!!)」

衝撃のあまり、実際の凛は足をとめる。