聖職者


実際の凛が浮かべた最悪のシナリオ。

それが現実に起きた。

駒とは食堂にいる人間、それを誰が一番多く狩るかというものだった。

夢の中の凛は瞬く間に食堂にいた団員を切り付けていった。

にぎやかで活気のあった食堂が、一瞬にして鮮血の飛び散る殺戮現場へと化す。

そして今、息のあるものは切られた慎と京介、切った本人である凛、見ていることしかできない凛の4人であった。

「・・・凛さん、なんてことを」

息を切らしながら京介が言う。

「二人とも、ゲームに参加するんじゃなかったの?」

凛は刀の血を拭いながら言った。

「・・・お前、狂ってる!」

慎が声を絞りだした。