ーーーーーーーーー
マーキスは慎からここまでの記憶を読み取り、一度額を離した。
この術にしては長い時間使っていた。
頭が割れるように痛い。
マーキスは痛みのあまり立っていることができず、その場に膝をついた。
「大丈夫ですか?!」
頭を抑えているマーキスに、生活班長が声をかける。
「・・・ん、大丈夫」
マーキスはそれに何とか答えた。
実際のところ、大丈夫なわけがない。
大丈夫どころではないのだ。
いつもならこの頭痛に一番詳しい医療班長も、凛を抱えて医務室に行ってしまったため、不在である。
マーキスは頭を抑えたまま、今読み取った記憶を、本部長のデスクの上にかけられたスクリーンに映した。

