聖職者


京介は険しいながらも、一度だけ笑顔を慎に見せた。

その笑顔に、慎は京介のことを信じていいと思った。

ただの聖職者一人にCランクの魔獣が二体など、普通なら分が悪すぎる。

大丈夫なわけがない。

「ただし、すぐに戻ってきてくれよ」

京介は最後にそう付け足すと、レイとヒロのほうに振り向いた。

「わかった」

京介はそう呟くと、術を使い瞬速で残された探索班員の元へと消えた。