聖職者


「お兄ちゃん達の後ろにいるおじちゃん達さぁ」

レイは探索班員達を指差して言った。

いきなり指をさされた探索班員は、ひっ、と小さな悲鳴をもらした。

「おじちゃん達の仲間、一人は死んじゃったけどもう一人いるよねぇ?」

レイは可愛らしく首を傾げた。

そう、探索班員はもう一人いる。

先程、慎が幻視術を掛けたすでに死体の一名、ここで慎と京介に庇われている二名。

あと一人、さらに奥の茂みで作業をしていたのだ。

「向こうのおじちゃん、魔獣に襲われてるよぉ」

レイはさらりと言った。

「何だと?!」

慎は噛み付くようにレイに問う。

「だって、襲われてる気配するしぃ」

「慎!君は向こうの探索班員を助けに行ってくれ!」

京介が叫んだ。

「は?!何言ってんだよ!んなことしたら、お前・・・」

「僕は大丈夫!君は彼を助けてここに連れてきてくれ!」