聖職者


「人間?何言ってんの?」

レイは嘲りを含んだ声で高らかに笑いだした。

「僕達は魔獣だよぉ」

レイはにやりと笑った。

それは子供らしからぬ、見るものを凍らせるような笑いだった。

「・・・何だって?」

京介は驚きながら言う。

「嫌だなぁ、だから魔獣だよぉ。若いのに耳遠いの?お兄ちゃん」

「魔獣って、子供が?!」

慎は叫んだ。

否、叫ばずにはいられないような状況である。

「・・・しかも名前まである」

京介が付け足した。

そして考える。

名前があり、獣型にもなり、子供の魔獣なんて今までいなかった。

それに、気配もなくあらわれ、人間と変わらない容姿。

いったいどれくらいのランクなんだ?

獣型にもなることを除けば、確実にBランク以上だ。

京介は内心焦った。