「ひっど〜い、子供だってさ」
子供姿の魔獣は不貞腐れたように言う。
低い背丈、さらさらとした茶色の髪。
潤んだ黒い瞳に整った鼻と口元は、完璧すぎる可愛らしい子供だった。
華やかな服に、ふわりとしたスカートをはいている。
12歳位だろうか。
「・・・女の子?」
京介がぽろりとこぼす。
「もっとひっど〜い!どっからど〜見ても男でしょ!!ねぇヒロ聞いた?!」
子供は不服そうにヒロと呼ばれるものに同意を求めた。
「だから言ってるだろ。そんな格好をしてるから女に見られるんだ、レイ」
慎の前にいた魔獣はいつのまにか人型になっており、ヒロと呼ばれ、答えていた。
レイと呼ばれた子供は可愛らしく、頬を膨らませた。
「・・・人間?」
慎は、ありえない、と言いたげに声を漏らした。

