二体の魔獣は何も言わずに鋭利な爪を振り下ろした。
探索班員は恐怖のためか、叫ばず、動かない。
このままでは探索班員が斬られるのは必至だ。
その瞬間、慎と京介は二人の探索班員をそれぞれ庇うように魔獣の前に立ちはだかる。
そして、二体の魔獣の打撃をそれぞれ刀で防いだ。
「京!大丈夫か!?」
「大丈夫!そっちは?」
「俺も問題ない」
慎の後ろで探索班員がへなへなと座り込んだ。
「こいつ、Dランクか?」
慎は独り言をつぶやくように言った。
「いや、違う。こいつCランクだ」
京介は目の前の魔獣を睨み付けながら言った。
すると、獣型だった魔獣がするりと人型に変わった。
「ばれちゃった」
京介の目の前の魔獣が言った。
京介と慎はその姿を見て驚いた。
「なっ・・・、子供?」
そう、そこにいたのはまだ子供姿の魔獣だったのだ。

