聖職者


慎と京介は急いで駆け寄る。

慎は直ぐ様倒れている探索班員に手を差し伸べ、肩を抱き起こした。

探索班員の怪我を見た慎と京介は、思わず目を見張った。

額には引っ掛かれたような傷、体中には歯形があり、左肩から下は食い千切られていた。

辺りは激しく血が飛び散っており、思わず目を背けたくなる光景だった。

慎はぐったりとして動かない探索班員の生死を確認した。

息をしていない。

この血の量だ、出血多量によるショック死だろう。

慎は見開かれたままの探索班員の目を、そっと閉じてやった。

そして抱きかかえ、血だまりから離れた地に横たえてやった。