だけど


走りながら夕莉が追い付いてきた。



「…なんでいつも付いてくるんだよ」



「別にいいじゃん!
 一緒な家で同じ学校なんだし!」



「………。」




それ以上言うのがめんどくさくなって


俺は何も言わなかった。




「あ、そういえば
 彼女全員と別れたんだって?
 もったいないけど…
 ねえ、もしかして本命出来たの?」




夕莉が聞いてきた。



「…なんで知ってんの?
 別に本命なんか出来てねえけど」




そう言いながら

なんとなく彩乃を思い出した。



「あはは!
 もう超噂だよ~!
 夕翔有名だから♪」


ケラケラ笑いながら言う夕莉。




いや、笑い事じゃないからな?