恋もよう


「ひーー!!」
「ひかりーっ!!」



同時に名前を呼ぶ友人を振り向いた彼女は、笑顔になってそこから友人達のいるところまで走っていく小さな姿。
その姿を無意識に目で追っている自分に途中から気付いて、意識的に視線を違う方に向けた。
友人に囲まれて笑う声が耳に入ってくるが、それも何故か…彼女の声だけ切り取ったかのように聞こえてくる。

そんな風に余所に気を取られていると、レン!と鋭く名前を呼ばれ、反射的に向かってきていたボールをキャッチする。