そう聞いてきた遼に、蓮は僅かに目を見開く。 そして、いつも感情が表情にでない蓮の、その僅かな変化に気付く…少ない人物の一人である遼は、やっぱりかと溜め息と共に呟いた。 その小さな呟きは、騒がしい教室の中にもかかわらず、蓮の耳に確実に入り込んできた。 「何だよ、『やっぱり』って。」 思わず問い質す蓮に、少し驚いた顔になった遼。 蓮がこんな風に他人を気にするのを初めて見たからだ。