恋もよう


そうヒナを誉めたのは、東條妃芽。
県内のトップクラスの高校に進学し、見た目もサラサラストレートの長い髪にすっきりした目鼻立ちの美人。
真っ直ぐと立つ姿からさえ、その知性が溢れるようだ。
それ故に、影でこっそり憧れられて、声をかけられることは少ない。

「うんうん、似合うよう!」

ヒメと一緒に誉めたのはヒカリ、羽月光。
学力は並みの高校だが、その姿はまだ中学生とよく間違われる程小柄。
純粋さを表すようなパチリとした瞳に、変わらない話し方で、男女問わずに人気が高い。


──そんな全然容姿も性格も、そして通う高校も違う三人が、休みの日にこうして集まるのは、同じ中学の出身だったから。
偶然同じクラスになった三人は、ふとしたきっかけで意気投合し、今のような関係になった。