ドアが開いてホームに降り立った光が、不意に振り向いて。 同じようにホームに降り立つ俺を見て、また嬉しそうに笑う。 「家まで送るって言ったろ?」 そのまま帰るんじゃないかと思われていたのかと、心外そうな声を上げれば、ハイ!と笑う光に、自然と口元に笑みが浮かぶ。 すっかり暗くなった辺りは、街灯が照らすだけの寂しい雰囲気。 だが、二人で歩く道は、どこか温かさを感じられて。 また他愛もない話をし始めた光に、相槌を打ちつつ光の家までの道のりを歩いていくのだった。