少し距離を保ったまま、昇降口まで辿り着くとそれぞれの学年の靴箱に別れ、靴を履き替えて外に出る。 空は変わらずのグラデーション。 いや、教室から見た時よりも闇色の部分が濃くなってきているだろうか。 既に運動部の掛け声は後片付けの音になっていて、中には笑い声が遠くから響いてくる。 「…遼、終わってそうだな。」 会話が見つからず、そう呟くとそうかもしれませんね〜と、どこかあまり気にしている風じゃない返答。 ふと感じた違和感に背後を振り返ると、目があった光は不思議そうに首を傾げるだけ。