「ひなちゃん、髪思い切ったね〜。」 「うん、似合う?」 そう言って笑うのは、春日陽菜。 中学時代に『荒れて』金だった色を明るいブラウンに染め、伸びて痛んでいた長い髪をバッサリ切り、学力は良いとは言えないが、スポーツは万能な高校に通う『普通よりちょっと派手目の高校生』。派手、なのは本人の顔の造りからのものもあるから仕方なくて、どうしても声をかけられるのは俗に言う『不良』やナンパ。 「あの色はかなり危険人物って感じだったもの。それにこっちのが似合うわ。」