恋もよう


「……マジかよ…っ」

『冷めた人間』になりつつあるはずの蓮が、このところないと思いこんでいた『感情』を揺さぶる相手の名がそこにあった。

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今どこだよ?悪いけど、帰りに光送ってってくんねーか?今日はミーティングで遅くなりそうなんだ。遼
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『光』。



出来れば、あまり関わりたくなかった相手。

だが、部活にも入っていないし、遼のことだから今日バイトがないのも知ってて頼んできてるに決まってる。

女も切った事も、知ってる。
放課後に用事がないことを見越しての頼み事を、断れる奴はいるのだろうか?と、多少ずるさを感じさせるメールにため息を再度吐き出す蓮。


数分の後、また寝転がって携帯を操作し…わかった、と一言メールだけ返したのだった。