「・・・比奈ちゃん、ありがと。 ありがとう、受け入れてくれて」 奏君は、泣いてた。 あたしの涙を拭いながら、 静かに、静かに。 頬を伝う涙には、奏君の 今までの寂しさではなく、 嬉しさを感じた―――・・・。 *** 「ありがとう、比奈ちゃん」 「ううん、じゃあ、あたし、 家帰るね?」 「うん、ばいばい」 あたし達はそう言って別れた。