「すまん!お前だったとは思わなかった。」
「あら、珍しく素直じゃない。いつもそうやって素直にしてれば…ってどこ見てんのよっ!こっちを見なさいっ!」
下川越しに誰かを探す柴神の姿がみえた。
「話は帰りながら聞くから早くこっちに来てくれ!早くっ!」
「えっ?静香を待たなくちゃいけないんだけど!」
俺は姉貴の手を引いて必死に走った。

「ねぇ、どこまで行くの?」
「そうだな。あそこの公園でいっか。妹にメールして来てもらえよ。」
「今、送った。それで?誰に追われてたのっ!」
嘘をついて墓穴ほるのはこりごりだ。
そう思って全てを話した。
「それなら何で私まで巻き込むのよ!」
「あ、いや、反射的に。」
「ハァ~、まっ、いいわ。シバちゃんには私が話しとく。」
「なんか、余計ややこしくなるような気が…」
「大丈夫よ!“ツインバルカン”が相手なら終わってたけど、シバちゃんだけならヤシンも協力してくれるわよ。」
「ツインバルカン?」
説明してもらって分かった。
あいつらの名前を聞いた時に聞き覚えがあった訳が。